被災したマンション

2011.10.14

被災したマンションのなかには容積率規制が設けられる前に建てられたものも多く、建て替えようにも容積率の規制に縛られ、元の床面積が確保できない。一戸当たりの面積が狭くなったり、元の戸数が確保できず、所有者全員が入居できるマンションが建てられないケースがほとんどだ。たとえば芦屋市のあるマンションは、容積率規制が導入される前の七〇年に建てられた。敷地面積約三二〇〇平方メートル、延べ床面積約一万三〇〇平方メートルの八階建て。容積率は約四〇〇%である。しかし、現行の容積率は二〇〇%で、建て替えても元の半分の床面積しか確保できない。このマンションのように、現行の容積率の適用を受けると前より小さな建物しか建てられないものを「既存不適格建築物」という。五五〜六七年に建てられた民間マンションの七割以上は余剰容積率を残していない既存不適格建築物といわれ、事実上、建て替えは不可能である。ならば七一年の容積率規制施行後のマンションはどうかといえば、残念ながらこちらも建て替えは難しい。容積率めいっぱいに建てている物件がほとんどで、余剰容積率を利用した公団・公社型の建て替えは絶望的である。結局、現状ではマンションの建て替えはあり得ない、というのが実情なのだ。

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