サブプライムローン問題は証券化を利用した不動産投資にも影響を及ぼした。不動産開発は都心の大型案件では証券化の手法を使って実施されるケースが増えていた。大手不動産など開発者は特別目的会社(SPC)などを作り、それを使って資金を調達し、事業を活発化させた。大手不動産会社は自らのバランスシートを膨らませずに、大型開発を手がけられる利点があった。負債が膨れて桁下げ圧力にさらされるリスクを低められたのだ。一方、銀行は企業向けではなく特定の事業向け融資に力を入れることができた。
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不良債権問題では企業向け融資に注力したのが裏目に出て、企業が不振になると運命共同体として追い貸しなどを迫られ財務体質が悪化した。これに対しSPC向けはその事業が不良化すれば、その分は損失になるが、ずるずる不振企業に巻き込まれることは避けられる。不動産会社、銀行の思惑が一致し、SPCを使った開発がブームになっていた。SPCを使った不動産投資のファイナンスは、主に3つのクラスに分かれている。ひとつは事業を中核的に進めるために投下するリスクの高い資金でエクイティ資金と呼ばれる。これは一通常再開発を進める大手不動産会社や、欧米アジアの不動産投資家などが提供することが多い。次いでエクイティよりはリスクは低いものの、通常融資よりも事業に深くコミットし高い利回りを得られるメザニン融賢がある。3つ目がノンリコースローン(非遡及型融資)と呼ばれる銀行などが提供する比較的リスクの低い融資だ。エクイティやメザニンより優先的に返済されるためシニアと呼ばれ、銀行が資金を出しやすい。サブプライムローン問題の影響を被ったのは、このうちメザニン、ノンリコースローンだった。メザニンは出し手の金融機関がサブプライムローン問題の影響で打撃を受け、高いリスクの融資を出しにくくなったことが大きい。