気密の高い住宅は、まえにもご説明したように、水蒸気の潜熱によるエネルギーの発生がないので、冷房コストが安くすみます。大雑把に見て、気密性能が三を切ると、それに比例して冷房費が下がり、〇・六程度になると、従来の五分の一の電気代ですむようになります。ちなみ、私の家ではエアコンの子機が九台ありますが、八月でも冷房費が一万五〇〇〇円は超えません(気密性能〇・六七、東京都で二四時間、常時冷房した場合)。つまり、エアコンの性能だけを上げても住宅の快適さは得られず、水蒸気のすき間があると冷房はまったく効かないと思ってよいでしょう。エアコンメーカは機器の性能をアピールするだけで、気密性能の悪い家はエアコンが効かないとは言いませんが、実際に電気代は五倍以上違っているのです。気密度一・〇以下のよく造られた高気密・高断熱住宅では、従来の冷房の概念を、温度は下げずに湿度を下げた冷房の概念に変えることができます。こうすれば、一晩中エアコンをつけていても高原のさわやかさと同じで、体がだるくなったりはしません。私も夜は温度二六℃、湿度六〇パーセントのところで休んでいますが、真夏でも布団をかけて寝るのですから、熱帯夜を感じることはありません。また、学校に行っていて日中人のいない子ども部屋などは、エアコンを消してドアを開けておけば、すこし温度が高くはなりますが、家中が除湿されているので不快なほどではなく、勉強するときだけエアコンをつければすぐに涼しくなります。開放的な間取りで吹き抜けなどで部屋をうまくつなげば、経済的な冷房が可能になります。
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