工事は簡単だし、費用もさほどかからない。デッキ部分も含めた現在の総床面積は二十七坪。これだけの要素を詰め込んだ総ヒノキづくりの家が、建築費総計千五百万円、坪あたり六十万円弱で完成した。目に見えない基礎や柱梁を重視した反面、設備や外装、内装などを思い切ってシンプルにしたためである。目に見える部分は、後で必要になったときにいくらでもつくり直せる。当面、ご夫妻に二世帯同居の予定はない。お二人とも健康だし、少なくとも十年や十五年は二人きりの暮らしを存分に楽しみたいと考えていらっしゃる。
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しかしその先、何があっても大丈夫と思えるだけの「終の棲家」を、このご夫婦は六十歳の定年を前にして手に入れたのである。